富士山の山小屋は本当にひどいの?口コミ最悪なところに宿泊してみた
富士山の山小屋は「ひどい」、「最悪」という口コミをよく見かけます。これから富士山登山をしたい人にとって、とても気になる部分でしょう。富士山の山小屋は、確かにホテルや旅館と比べるとおとるところがあります。
そこで今回の記事では、主観的に口コミが最悪だったところに宿泊をしてみました。富士山の山小屋がひどいのか気になってる人は、ぜひ読んでみてください。
数々の山小屋に宿泊してきた、登山経験者が本当にひどい・最悪なのか赤裸々にレポートをします
富士山の山小屋が「ひどい」「最悪」と言われる8つの理由
そもそも、富士山の山小屋はなぜ「ひどい」「最悪」と不評の口コミが多い傾向があります。富士山の山小屋の口コミを調査して、その理由を調べてみました。
①山小屋スタッフの対応が悪い
富士山の山小屋の口コミで最も多かったのが、山小屋スタッフの対応がひどい・最悪というものです。富士山の山小屋は、人的サービスが悪いということも言えます。
山小屋スタッフが、ひどい・最悪というなかで多かった意見が「タメ口をきかれた」、「怒られた」、「そっけない」、「悪口大会をしていた」というものです。
富士山の山小屋は、良くも悪くも気さくな人、マイペースな人がいるため、ひどい・最悪という気分になる人がいるのでしょう。
筆者も堂々と舌打ちしているスタッフを見かけましたが、ゴミが放置されているのを怒ってのことでした
②山小屋の寝所が悪い
富士山の山小屋がひどい・最悪という人のなかに、寝所の悪さをあげる人がいました。富士山の山小屋だけではなく、山小屋は基本的に洗濯ができないため、不潔に感じる人てひどい・最悪と思われるのでしょう。
さらに、富士山は荒涼としているため、登山者が持ち込む砂が寝所にちらばっている場合があります。富士山の山小屋は忙しいため、掃除が行き届かないこともあり、ひどい・最悪と感じられると推測します。
③山小屋の寝具がチープ
富士山の山小屋が、ひどい・最悪という理由のひとつに、寝具のチープさがあります。薄い布団、くたくたの寝袋…という山小屋もあります。床の固さがつたわって寝にくくてひどい・最悪という意見も。
しかし、山小屋のなか…特に吉田ルートのなかには、寝具にもこだわっているところがあるので、これがすべての山小屋にあてはまるものではありません。
寝返りうつと、木の板の固さが伝わってきたことも
④山小屋のご飯が美味しくない
富士山の山小屋のなかには、すべてレトルトという山小屋も少なくなく、値段に対してひどい・最悪という意見も目立ちました。
富士山登山で疲れて、やっとたどり着いたと思ったら冷えたレトルト…だと、ひどい・最悪と思われるでしょう。しかし、食事をすべて手作りで出している富士山の山小屋もあり、生ビールを提供している山小屋もあるので、一概にはひどい・最悪と言えない面もあります。
標高が高くなっていくと、食事のレトルト率が上がる傾向があります
⑤山小屋の宿泊費が高い
富士山の山小屋の宿泊費は、平均して10,000円前後。なかには特定日で15,000円かかる山小屋もあり、少し良いホテル旅館並みなので、ぼったくりとまで言わなくても感じてひどい・最悪と思われる人もいます。
しかし、山小屋は運営費が高いため、収容人数が減った今では、全国的にどの山小屋も値上がりしています。富士山の山小屋も例外ではなく、どうしても値段が高くなってしまうという側面があります。
北アルプスの山小屋も1泊2食付きで14,000円…というところも珍しくなくなりました
⑥山小屋に入るのを断られた
宿泊する山小屋ではなく、雨や休憩などで富士山の山小屋に入ろうとしたとき、断られたという人がいました。
これは富士山の山小屋特有で、利用者ではないと入れないという山小屋が多いです。軽食利用なら入れるけれども、食事後ゆっくりはできないというケースもあります。
突然の雷など、命の危険がある場合は山小屋に入れていただけることが多いです
⑦山小屋でのマナーが悪い
登山経験者でひどい・最悪という人に、山小屋のマナーの悪さを指摘する声がありました。多かった意見として、消灯後も騒ぐ人が多いというもの。
消灯後、静かにするのは山小屋のマナーとして普通ですが、富士山に来る人の多くが、山に慣れていない人です。そのため、マナー違反行為にひどい・最悪と思われる人が多いのでしょう。
富士山登山でテンションが上って騒いでしまう、到着が遅くて寝てる人の横でゴソゴソしてしまう人も
⑧お風呂・洗い場がない
富士山は水がないため、お風呂・シャワーなどがありません。そのため、汗をかいた体が不潔と感じてひどい・最悪とと思われる人がいます。しかし、たいていの山小屋は入浴施設がないのが普通なので、富士山の山小屋だから、ひどい・最悪というわけではないでしょう。
しかし、歯を洗う場所もないことが多いので、それをひど・最悪と思う人もいます。
お風呂やシャワーがある山小屋は少数しかありませんが、やはりあると便利ですよね
富士山の山小屋はひどいの?最悪な口コミがあった宿に宿泊
富士山の山小屋をひどい・最悪という人は少なくありません。しかし、本当にひどいのか? 数々の山小屋に宿泊してきた筆者が、実際にひどい・最悪という口コミがある山小屋に、山小屋が初めてという人と一緒に宿泊しました。
対象になった富士山の山小屋の特徴
宿泊した山小屋は、本八合目にある「富士山ホテル」という山小屋です。口コミが400件以上あるなかで、平均評価が低いという特徴がありました。
ひどい・最悪という口コミのなかには「スタッフの対応」、「寝所」について指摘する声が多くあります。
実際に宿泊してみた結果
結論から申し上げますと、全く普通…どころか、今まで宿泊した山小屋のなかでも悪くない山小屋でした。ひどい・最悪と思うことは一度もなかったです。
富士山ホテルに泊まって良かった点
ひどい・最悪と言われていた「スタッフの対応」…これが最も良かったと感じました。チェックインや案内も丁寧でしたし、山頂までかかる時間を聞いても快く教えてくれました。
到着後、屋内でゆっくりしていたとき、受付で混雑するため移動をうながされたときも、腰が低かったのをよく覚えています。
山小屋が初めてだった筆者の夫も、全く何も問題ないと言っていました。食事の際に、おいしそうにご飯を食べていた夫を見て「良い食べっぷりですね!」と気さくに声もかけていただけたことも。
寝所も簡易的なセパレートがあったのも良かったです。収容人数が減ったおかげで、寝返りがうてるくらいに最低限のスペースが確保されていました。
トイレもニオイがなく、清潔感がありました。用を足した後に、備え付けの水が勢いよく出てくるジェット?で流すのは初めてでビックリしましたw
富士山ホテルに宿泊して良くなかった点
登山経験者の筆者が、これは…と思ったのが海外の団体客。寝ている人がいてもおかまいなしに騒いでいたので、耳栓をしても寝にくかったです。
これは、富士山ホテルが収容人数が多いため、団体客が多いという特徴があるからでしょう。富士山の山小屋だから、ひどい・最悪とはいい難い面ではあります。
もうひとつ、夫が指摘した良くなかった点が「寝所」。外から入り込んだ砂がジャリっというのが嫌だったそうです。また、寝袋が薄かったため、体が痛くなったと言われました。
また、これは富士山ホテル特有の問題なのですが、トイレが1回毎に200円かかります。(他の富士山の山小屋は最初の1回のみの場合が多い)。山頂が近く、有料にしないとトイレで休む人が続出するためでしょう…。
結果、富士山の山小屋に泊まった夫は、けっこうキツく感じたそうです。
寝ずに夜中寒いなか登山するのは、富士山登山初心者にはきついでしょう
富士山の山小屋がひどい・最悪かどうかは人それぞれ
富士山の山小屋は、登山初心者にとっては、今までと違う環境で寝るため、ひどい・最悪と感じる人もいるでしょう。しかし、それは富士山の山小屋がひどい・最悪というより、山小屋の環境自体がきつく感じる人もいるという側面もあるのでしょう。
富士山の山小屋は、同価格帯のホテルや旅館と比べると、サービス・設備の充実度などが低いのは事実です。ひどい・最悪と思われる人もいるため、必ず良い体験ができるとは限りません。ただし、ひどい・最悪と思うかどうかは人それぞれとも言えます。
別の山ですが、水をふもとから山小屋までボランティアで運んだところ、なぜか山小屋の人になぜか怒鳴られた経験があります…。そういった山小屋の主もなかにはいます。
富士山で設備良いおすすめの山小屋
富士山の山小屋のなかでも、やっぱりひどい・最悪となるべく思いたくない人はいるでしょう。そこで以下の記事では、富士山でおすすめの山小屋を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
ひどい・最悪という意見をおそれず富士山の山小屋へ行こう!
富士山の山小屋は、必ずしもひどい・最悪というわけではありません。しかし、登山初心者にとっては、富士山の山小屋がひどい・最悪と聞くと、行くのが怖くなってしまうでしょう。富士山の山小屋は、多くの人が働いており、なかにはひどい・最悪な人がいる可能性があります。それをふまえて、富士山の山小屋をおそれずに、ルールを守って宿泊することで、最高の富士山登山ができますよ。
◆この記事を書いた人◆
ゆるペン登山管理人
登山歴:6年
登った山:富士山、3泊4日北アルプス(雲ノ平、高天原、三俣蓮華~双六岳)、燕岳、南アルプス(北岳、仙丈ヶ岳)、八ヶ岳縦走(硫黄岳~赤岳)、積雪期丹沢縦走(ヤビツ峠~西丹沢)、金峰山~瑞牆山、雲取山など関東の山を中心に踏破。100回以上の登山を経験。
登山にかけた費用は約100万を超える。
登山メディア3サイトに情報を提供する登山ライターを経験。