富士山登山にかかる時間は?距離やタイムスケジュールなども紹介
富士山登山は、時間がかかるアクティビティです。富士山登山を計画する際「登山にどれくらいの時間がかかるのか?」と疑問に思う人もいるでしょう。この記事では、富士山登山に必要な時間、それにともなう距離やタイムスケジュールなどについて詳しく解説します。
富士山登山は、基本的に2日間かかります。時間計画をきちんとすることで、下山時間にも余裕が生まれます。
各ルート比較|富士山登山の所要時間
富士山登山には、主に4つのルートがあります。初心者向けで人気が高い「吉田ルート」、スタートの標高が高い「富士宮ルート」、樹林帯から出発する「須走口ルート」、最も難易度の高い「御殿場ルート」です。
この4つのルートの標準的な時間比較(山頂のふちまで行く時間)は以下になります。
ルート名 | 上り | 下り |
---|---|---|
吉田ルート | 約5時間8分 | 約3時間37分 |
富士宮ルート | 約3時間56分 | 約3時間18分 |
須走口ルート | 約5時間31分 | 約3時間31分 |
御殿場ルート | 約7時間47分 | 約3時間57分 |
最短時間で登れるのは富士宮ルート、最長時間は御殿場ルートということが分かります。富士宮ルートはスタートの標高が高いので、高山病になりやすい反面、歩行距離が短いという特徴があります。
3番目に時間が短い吉田ルートは、交通アクセスが良く、山小屋や人が多いので、初心者でも登りやすいルート。2番目に時間が短い須走口は、バスの本数が少ないけれども、人が少ない静かなルートになります。
富士山で登山初心者は、高山病対策がしやすく、緊急時に対応しやすい吉田ルートがおすすめ!
体力レベル別の富士山登山にかかる時間【吉田ルート】
富士山の吉田ルートは、登山初心者が登りやすい標準的な時間で登れる登山道です。しかし、歩行速度によって富士山登山にかかる時間は変わってきます。ここでは、体力別に富士山登山(吉田ルート)でかかるを計算します。
①体力レベル★★☆☆☆|登山初心者の場合
体力にあまり自信がない初心者の場合、ゆっくり登ることを推奨します。そのため、速度設定を落として計算をしてみましょう。
上りにかかる時間 | 約6時間44分 |
下りにかかる時間 | 約4時間46分 |
これは剣ヶ峰(富士山の最高地点)に行かない場合、合計の登山時間は約11時間30分です。八合目で宿泊する場合(山小屋・太子館の場合)、1日目に歩く時間は3時間40分、2日目に歩く時間は約7時間51分になります。
剣ヶ峰に行く場合はプラス約56分、そのままお鉢周り(富士山の火口を1周)する場合は、さらにプラス40分を見込んでください。つまり、剣ヶ峰に行く場合は、合計時間は約13時間4分という計算になります。
この歩行速度と時間は、運動経験が少ない登山初心者が目安なので、普段から運動をしている人はもっと早く歩けるでしょう。
②体力レベル★★★☆☆|スポーツ・登山経験者の場合
普段からスポーツをしている、登山経験者で体力がある人が富士山登山をした場合の時間を計算します。今回は、最初から剣ヶ峰+お鉢周りをするというシチュエーションで時間を割り出します。
上りにかかる時間 | 約5時間43分 |
下りにかかる時間 | 約4時間8分 |
富士山登山にかかる時間は、合計で約9時間51分という計算になりました。八合目で宿泊した場合(山小屋・太子館の場合)、1日目に歩く時間は約2時間48分、2日目に歩く時間は約7時間3分です。
体力がある人なら、もう少し上の山小屋に宿泊して、2日目の時間負担を減らすのもおすすめです。
③体力レベル★★★★☆|体力がある登山者経験者の場合
登山経験者のなかでも体力があり、歩行速度も早い場合の時間を計算してみました。②同様に、剣ヶ峰+お鉢周りをする場合の時間になります。
上りにかかる時間 | 約4時間34分 |
下りにかかる時間 | 約3時間18分 |
気力・体力が充実している登山経験者の場合、合計で約7時間52分で登れる計算になりました。八合目(山小屋・太子館)までは約2時間14分、2日目は約5時間38分ほどと登山経験者には物足りなそうな時間に。
この目安時間は、高山病リスクが高いので、富士山登山の初心者の人は参考にしないでください。
筆者は、登山初心者を連れて行ったとき、1日目は本八合目の山小屋(富士山ホテル)に4時間で到着しました!
富士山登山でご来光登山をしたときのタイムスケジュール
ここまでは、通常の登山をした場合の登山時間を計算しました。しかし、富士山登山をする場合、ご来光登山をしたい人は多いでしょう。
そこで、この項目では富士山登山でご来光登山をした場合の、目安時間を解説します。
富士スバルライン五合目に到着したら、まず高地順応をしましょう。約1時間五合目で休憩し、それから出発したほうが富士山で高山病のリスクを減らせます。
体が慣れたら富士山五合目から出発する時間です。準備をして、息を切らさないように登りましょう。
山小屋は15時までに到着するのを推奨します。少々早いですが、夏季の富士山は午後になると天候が崩れやすいので、早めの到着がおすすめです。
山小屋の夜は早いです。消灯時間をすぎたら静かに眠りましょう。
ヘッドライト&防寒着を着用して出発をしましょう。出発時間は、山小屋の位置によって違います。また、ご来光渋滞という山頂までの行列ができるので、時間に余裕をみて出発しましょう。
8月1日の場合、ご来光(日の出)は4時50分となります。防寒具をしっかりと着こみ待ちましょう。茶屋もありますが、ご来光前はこちらも行列待ちとなります。
ご来光を見れたら、下山道に向かうか、最高地点の剣ヶ峰・お鉢周りをするか考えましょう。体力に余裕があれば、ぜひ剣ヶ峰に行ってみてください。なお、ご来光直後は剣ヶ峰も大混雑。山頂標識の撮影待ち時間は約30分以上となるので、下山時間に注意してください。
ご来光登山中や待っているときは、とにかく寒いです!富士山登山では、日によって寒さが違うので、万全の服装と時間計画で向かいましょう。
富士山登山で混雑時間を避けるための対策【吉田ルート】
富士山登山では、さまざまな混雑や待ち時間などが予想されます。しかし、吉田ルートは最も登山者が多いルート。なかなか混雑回避はできません。もし混雑による時間経過が惜しい場合は、以下の点に気をつけましょう。
夜間のご来光登山をしない
富士山でのご来光登山は、登山者がいっせいに登り始めるため、行列による待ち時間が発生します。行列は富士山山頂まで何百メートルも続き、途中で止まる時間もあるでしょう。
さらに、ご来光直前になると空が白み始め、時間に慌てた人が登山道の外を歩いてしまいます。登山道の外を歩くと、正規の登山道に落石を起こす危険性があります。
また、時間に余裕をもって富士山の山頂に到着すると、ご来光待ち時間が発生。富士山山頂は真冬並の気温と強風により、氷点下のような寒さになります。この寒さに耐え忍ぶ時間は、登山初心者にはかなりキツいでしょう。
このような辛い時間を避けたい場合は、ご来光登山を山小屋前で見るという選択肢があります。剣ヶ峰の撮影待ち時間も短くなるので、混雑時間を避けたい人にはおすすめの登り方です。
混雑する期間を避ける
富士山登山では、混雑する3連休やお盆を避けるようにしましょう環境省富士箱根伊豆国立公園のホームページでは、登山者の日ごとの発表をしており、7月の3連休・8月のお盆が最も混むということが分かります。
また、当然ながら土日の富士山も登山者が多いです。できるなら平日に行くことで、混雑する時間を回避しやすいでしょう。
また、山小屋はコロナ禍を経て、人数制限がされるようになったので、ここ数年は混雑を回避しながら宿泊ができます。しかし、山小屋に宿泊できる人数が減ったため、予約が戦争となっているので注意してください。
吉田ルートは、日中の時間はそこまで混みません。混雑時間を避けたい人は、ご来光登山をしないのがおすすめです。
富士山登山を最短時間で登るリスク
富士山登山をする人のなかには、時間・費用を節約するために日帰り登山をしたい人もいるでしょう。しかし、高地に慣れた人ならともかく、時間節約は登山初心者にとって高山病の危険性が上がる登り方です。
2014年からは日帰り登山(弾丸登山)を規制する動きがあり、時間を節約できない可能性もあります。なるべく山小屋に宿泊して体を慣らし、ゆっくりと時間をかけて登山をするようにしてください。
装備や持ち物などをしっかりと準備し、全盛を高めて富士山登山をしてください。
しっかりと時間の計画を立てて富士山登山をしよう!
富士山登山は、準備の段階で時間の計画を練ることも大切です。どこで時間を使うのか、休憩時間はどのくらいとるのかも計算に入れておきましょう。時間をしっかと計算して富士山登山をすれば、安全性の高い登山ができるようになるでしょう。
また、時間をかけて登ることで、富士山登山の成功率を高めることにもつながります。時間計画をしっかりとして、富士山登山を無事に登頂成功させましょう!
◆この記事を書いた人◆
ゆるペン登山管理人
登山歴:6年
登った山:富士山、3泊4日北アルプス(雲ノ平、高天原、三俣蓮華~双六岳)、燕岳、南アルプス(北岳、仙丈ヶ岳)、八ヶ岳縦走(硫黄岳~赤岳)、積雪期丹沢縦走(ヤビツ峠~西丹沢)、金峰山~瑞牆山、雲取山など関東の山を中心に踏破。100回以上の登山を経験。
登山にかけた費用は約100万を超える。
登山メディア3サイトに情報を提供する登山ライターを経験。